えがおで りんと このばしょで

表現者であり女・小沼枝里子のあれやこれ。

蘆屋正宗。

「VAGUENIGMA-1959-」

いよいよ、明日が千秋楽です。

全日程終演後、また改めて綴るつもりではいるのですが、今回命を共にしている「蘆屋正宗」について少しだけ。

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稽古期間中のブログにも書いたんですけど、彼女の性格を形成する原因となった「弱さ」って、あたしが心底大っ嫌いな人にそっくりなんですよね。
細かい所を語ると割とネタバレになるのでそこはまた後日、なんだけど。

あたしからしてみるとやっぱりどうしても好きにはなれないタイプの女で、系統的には平成ベイゲの時の小茂根美優に近いのですが。

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でも小茂根をやった時はね、結構楽しかったんですよ(笑)
割とわかりやすい悪役サイドの女だったし、その頃お世話になってた演出家さんに「もっと自分の汚い部分を使う役をやってみるといい」とちょうど言われていた時だったので。
あと、正宗と比べると小茂根はまだ腹括ってた(笑)
弱さや迷いは勿論あったけど、自分で選んでちゃんと振り切ってる女だったなぁ、と思うんですよね。

 

正宗はね、本当にあたしの大嫌いな人にそっくりで、昔は近しかった分役作りする上でのいいお手本にはなったのですが、きちんと自分の中に馴染ませる事が出来るかどうかが一番心配でした。
だって、誰だって「嫌いなもの」入れたくないでしょ。自分の中に。
正直、お客さんは正宗をどう思うんだろうな、と思ってた。
「役者として楽しい役」ではあります。
そういう意味で好んでくれる方は居るのかもしれないけれど、果たして「人」としてはどう映るんだろう、と。
まぁ好かれはしないかもしれないけど、嫌われもせず、印象にも残らず、ってなったらそれが一番怖いなぁ、と思ってました。

 

が。

 

蓋を開けてみたらあらびっくり。
正宗の事を好意的に受け取って下さる方の何と多い事か。

これは、めとめとひらくの相方・奏子ちゃんが書いてくれた感想。
奏子ちゃんの表現はちょっと独特なんだけど、でも、感想として「嫌な女だったね」とか、そういった類のご感想は今のところ聞いてもないしお見掛けもしてないので、結構予想外。
むしろ、「正宗」という女を形成するために使った脆い部分の方を見てくれてる人が多いようです。

でも、考えてみれば小茂根の時もそういう感想無かったんだよね。
あくまで、あたしが認知していた範囲では、ですけど。
悪さがむしろ魅力的だったとか、色っぽかった、とか、そういうご感想が多かった記憶。

 

ご感想を頂いて改めて思う事は、結局自分の人格、経験、思想を超えた事は出来ないという事。
何度も書いてるけど、想像は経験を超えられない
それを、正宗を演じる事で改めて感じられている今日この頃です。
あたし以上に、お客さんたちの方が正宗を愛して下さっていて、あたしの心配は杞憂に終わっています。
ちゃんとあたしにとっても愛しい役になっていて、本当に安心してる(笑)

彼女と一緒に居れるのもあと一回。
どうか、見届けて下さいね。

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想道、斬糸共に満席ですが、若干当日券も出せるかもしれません。
現状、当日飛び込みのお客様にもすべてご覧頂けているので、お時間空いた方はどうか諦めずにいらしてみてください。

観測されてようやく、物語は息をするんだ。