えがおで りんと このばしょで

表現者であり女・小沼枝里子のあれやこれ。

終演。

疾駆猿第伍回半公演「VAGUENIGMA -Wheel of Fortune- 鮫崎刑事の受難スパイラル」

【怨道】【愚道】【慾道】【恐道】

全作品が、無事に幕を下ろしました。

ご来場頂きました皆様、ご声援を下さった皆様、そして共演者初め、この公演に関わった全ての方々に、心より感謝申し上げます。

 

有難い事に、昨年に引き続き、公演期間中に誕生日を迎えました。

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立ってみたいと焦がれていた新宿眼科画廊で、大好きなVAGUENIGMAの世界の中で、30歳という節目の誕生日を迎えられた事。

こんなに幸せでいいのかと思うくらい幸せでした。

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ご来場頂けるだけでも本当に有難いのに、数々のお祝いの品々。

載せきれてないのもあります、ごめんなさい💦

新井薬師のbarばみりでも、たくさんたくさんお祝いして頂いて、最高に幸せな30代の幕開けになりました。

なんかもう死ぬのかなってくらい←

いや、まぁあたしの役は死にましたけどね(笑)

 

そんなわけで、今回命を共にした彼女。

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赤線の元・娼婦。市松なみ。

こんなにも、「日常」ってものが幸せな役は久しぶりでした(笑)

「いってらっしゃい」「おかえり」「いただきます」「ごちそうさま」。

当たり前過ぎて見向きもされないくらいの「幸せ」を、こんなにも噛み締めることのできる役を頂く事は意外と無くてですね(笑)

キスシーンは、吃驚された方も多かったようですが(笑)、それと同時に「素敵だった」とか「夫婦のシーンをもっと観たかった」ってお声も多く頂き、共演者からの評判も上々でした(笑)

【怨道】をご覧になった方は、地潜の変化度合いにびっくりされたんじゃないかな。

にこりともしなかった彼が、やわらかい表情をたくさん見せていたこと。

なみは、2年間一番近くで「元禄さん」の変化を見続けているので、元禄さんが笑ってくれる度に、本当に幸せでした。

 

地潜/市松元禄を演じた、北川大佑くんと役の話をしている時に、「おそらく二人は法的に籍は入れてないのでは」って話になりまして。

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この簪は、元々「元禄さんがくれたもの」設定で小沼が個人的に用意したものでしたが、話を経て「結婚指輪の代わりにくれたもの」、という設定が加えられました(笑)

多分、工場に勤務を始めて初のお給金とかでくれたんじゃなかろうかと。

元禄は、自分のことには一切お金使わなそう、って大佑くんが言ってたんだけど、ほんとそんな感じするよね(笑)

あと、なみが店を辞めたのは、元禄が無理矢理連れ出したからじゃないか、って話もしてくれました。

売春防止法が完全施行されるまで待たずに、百人町のあばら家をどうにか用意して、なみを連れ出して、振られたら仕方ない、ぐらいの勢いで(笑)

なみからしたら断る理由なんか皆無だけどね!(笑)

確実に、一目惚れでしたから(笑)

 

鮫崎が、すみさんのバー「けぶり」で話をしている横で、夫婦が晩御飯食べてるシーンがあったんですけども。

その時にね、元禄さんが「来月休み取れそうだから何処か行きたいところはないか」って聞いてくれてるんですね。

で、なみは「映画に行きたい」って答えてたんですけど、この後。

恐道の佐野と柔子のシーンからインスピレーションをもらって、「指切り」を入れました。

どれだけの方がこの瞬間をご覧下さってたかわからないのですけど(笑)

ご存知の方も多いと思いますが、その昔、遊女にとって「指切り」は命を懸けた約束の証でした。

身体は売れど、心は貴方以外に添わせません、と、文字通り「小指を切って相手に送り、証を立てる」行為だったんです。

元・娼婦のなみがやる事で、意味を持たせられるかな、と思って。

今回、全体の作品を通して「約束」ってとても重要なキーワードだった気もしていて、そこに自分なりに乗っからせてもらいました。

ちなみに、遊郭に居た頃のなみの源氏名は「其扇(そのぎ)」と言います。
勿論、個人的な裏設定ですよ(笑)

これは、シーボルトの奥さんであるお滝さんが使っていた名前。

飴あられさんという漫画家さんの「長崎慕情」だったかな?
お滝さんとシーボルトの出会いが描かれた漫画があるんですけど。

出島に外国人たちの相手として向かわされた其扇は、そこでシーボルトと出逢って、恋に落ちる。
最終的には幸せに結ばれるんです。

幸せに身請けされていった遊女が、遊女から女になれた人が一体幾人いたでしょうか。
花魁として華やかな羨望の的になるのはほんの一握り。
無理な堕胎や性病で命を落とす遊女も少なくなく、星の数ほどの無縁仏が居たと言います。

なみにとっての元禄さんは、お滝さんにとってのシーボルトみたいなもの。
自分を「人」に戻してくれた、かけがえのない存在で、居場所。
そんな想いを込めて、「其扇」の名前を頂きました。

自分だけが楽しい裏設定ですが、話のタネにでもなれば幸い(笑)

 

「あんたは、あたいの仕事を聞いてもひいたりしなかった。
 あたいを、ちゃんと人として見てくれた」

 

商品扱いされていた娼婦と、物扱いされていた虚子。

いずれにせよ、人の道からは外れた場所で生きていたからこそ惹かれ合った二人。

「なみは、元禄があまり良くない事をしていただろう事は何となく気づいてはいるし、自身も刹那的な生き方をしていたから、きっとこの幸せがずっと続く事はないだろう、とどこかで思っている。それは元禄も一緒。だから今をとても大事にしているし、強く愛し合っているし、季節を夏にした」

とは信也さん談。

夏の恋の切なさって、確かに何か独特だよなぁ。

 

2人が心のどこかに持っていた予想通り、日常は崩れ去ってしまったけれど。

死ぬ間際、とにかく元禄さんには泣かないで欲しくて、どうにか笑いたかったのに、痛みと遠のく意識の中で上手く笑えなくて。

元禄さんの、「逃れられない罪だ」って言葉がただただ悲しかった。

たとえ貴方が過去に何をしていようと、そんなものは関係ない。

今の貴方が大事で、今の貴方を愛していて、だから笑っていて欲しい、あの日この身を救ってくれた貴方が償わなければいけないことなんて、何一つない。

もし罪があるというのなら、死にゆくこの身が引き受けるから。

 

善人で、いておくれ。

 

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叶うなら、もう少し一緒に居たかったけれど。

約束、守れなくてごめんよ。

でも、あまり早くこっちにくるもんじゃないよ。

最期が、貴方の腕の中で良かった。

ありがとう。

 

 

さて。10月、地潜はどうなってるんでしょうねぇ(笑)

死亡フラグか、更なる悲劇フラグが立ってる気がしてならない今日この頃。

一ファンとして今後の展開が楽しみです。

大佑くん、元禄さんとして愛してくれて本当に本当にありがとう。

板の上で、あたしは本当に幸せでした。

 

さて、キャスト紹介もしたいのでまだまだ続く。

長っ(笑)